『無意識と意識』について

川久保 悠

今回は『無意識と意識』について書いていきたいと思います。

 

まず『無意識』と『意識』の関係性について整理していきましょう。

 

人体では脳科学的機能としてまずはじめに『無意識』が働きます。

 

そしてその後『意識』が『無意識』を実行するかしないかを判断するブレーキとして作動します。

 

『意識』は『無意識』のブレーキであり、そのため、『無意識』と『意識』は相反する対立した関係性であることがわかります。

 

次に才能・能力と『無意識』『意識』との関係性も見ていきましょう。

 

才能・能力は大きく先天性と後天性に分かれ、先天的才能・能力は無意識的、後天的才能・能力は意識的となります。

 

先天的才能・能力は教わらずに感覚的・反射的に働く無意識的能力。

 

後天的才能・能力は教養から得た意識的能力と言えます。

 

そして、上記の内容を子供の育成に当てはめてみると、教育(意識的な教育)は先天的才能・能力のブレーキとなってしまうことがわかります。

 

サッカーでよく言われる「センスがなくなる」「才能がつぶれる」などは子供の過剰な意識化によるものが大きな原因だと私は理解しています。

 

実際に世界で最も優れた育成組織の一つであるFC BARCELONAの下部組織LA MASIAでも暗黙的学習(無意識的学習)を育成の基本理念の一つとして提唱し実践しています。

 

子供は誰もが「その子らしさ」、生まれ持った才能・能力を持っています。

 

もちろん子供を育成するに当たって教育は最も重要なな要素となりますが、子供の過剰な意識化はその子の持つ先天的才能・能力を阻害してしまうことを理解しておくことが大切です。

 

また、『好き』という感覚も無意識的なものであるため、過剰な教え込み(意識化)は『好き』という感覚を『嫌い』に変えてしまう原因となります。

 

アルゼンチンが生んだ天才として知られるメッシとアグエロ。

 

実際に幼少期のメッシやアグエロも完全に無意識にプレーする選手であったと言われています。

 

『才能 = 無意識』

 

少しでも子供の育成の参考になれば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ