サッカー教室/ 3-3-1に対する2-3-2でのフォワードの守備について

『サッカー教室』今回は日本のジュニア年代で最も多く利用されている3-3-1システムに対する2-3-2でのフォワードの守備について簡単に説明させていただきます。

 

相手が3-3-1に対する2-3-2の守備の場合、相手のディフェンス3人に対してこちらは2人で守備・マークすることになります。

 

 

相手ディフェンスの中央の選手がボールを持った場合はこちらの2人のフォワードはまず中間ポジションをとり対応します。

 

そこからボールを奪うセオリーとしてまずサイドへ向かってボールを誘導します。

*基本的に相手にコントロールミス、ポジショニングミス等が無い限り中央の選手へのプレス(プレッシャー)は行いません。中央の選手は常に左右へのプレーオプションがあるためプレスはサイドの選手に対してのみ行います。

 

誘導する方向としては相手センターバックが右利きであれば相手の左方向に誘導することがポイントとなります(利き足の反対方向へ誘導)

*右利きの相手センターバックが右足で左に向かってドリブルすれば前方から守備をするこちらのフォワードに対してボールを体で隠すことが出来なくなるためボールを奪える可能性が高まります。また、同じく右足で左に向かってドリブルさせればロングパスを出す場合も左足で蹴ることになるためミスパスをする可能性が高まります。

 

 

 

相手センターバックを左に誘導し左サイドバックへパスを出させることが目的となり、左サイドバックにボールが渡った時点からプレスが可能になります。

*プレスは数的優位もしくは数的同数の状況でのみかけることが基本となります。数的不利の状況ではパスで簡単に回避されてしまうためプレスは成立しません。

 

相手左サイドバックにボールが渡った瞬間に逆サイドの右サイドバックを捨て、素早く相手左サイドバックとセンターバックにプレスをかければ瞬間的に数的同数を作り出すことが出来ます。

*この時、逆サイドの右サイドバックへサイドチェンジを行う時間とスペースを与えないことがポイントとなります。

 

相手キーパーにパスを出された場合はプレスは成立せず、キーパーを含む相手選手4人に対して中間ポジションをとり対応します。

 

もし相手左サイドバックが右サイドバックへサイドチェンジした場合はサイドチェンジにかかる35秒の間に逆サイドにスライドして対応します。

 

 

 

最後にフォワードがプレスをかけている時のセンターバック2人のポジショニングについて補足させていただきます。

 

センターバック2人でフォワード1人をマークする場合は基本的にニアサイド(ボール側)で余ることが基本となります。

 

後方で待ち構えるディフェンダーも前方でボールが動く度に細かくポジションを修正しながら正しいポジショニングとることが大切です。

 

正しいポジショニングで守備を行えば正しいポジショニングから攻撃も行えます。

 

チーム全体で守りチーム全体で攻めるトータルサッカーをみんなで目指していきましょう。

 

フォワードの正しい守備の理解に少しでも役立てば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ

サッカー教室/ ポジショニングの基本コンセプト

今回の『サッカー教室』はポジショニングの基本コンセプトについて簡単に説明させていただきます。

 

まずここでいうポジショニングとは攻撃時でのポジショニングとなり、ボールを持っていない選手のポジショニングになります。

 

サッカーをプレーする上で最も活用するコンセプトの一つになりますので、是非保護者の皆様も正しく理解していただき、子供のプレーを見る基準にしていただければと思います。

 

攻撃時でのポジショニングは下記の4つのコンセプトとなります。

 

①パスコースを作る

②フリーになる

③体の向きを整える

④次のプレーを読む

 

サッカーでは常に状況が変化するため、常に上記の4つのコンセプトを①④の順序で実行することが求められます。

 

ボールが動く、味方が動く、相手が動くなどの変化が起こる度に①パスコースを作り②フリーになり→③体の向きを整え④次のプレーを読むことが必要です。

 

ここで各コンセプトをより細かく説明させていただきます。

 

①の「パスコースを作る」は単純にボールを持っている味方選手との間にパスコースを作ることです。

自分のポジション(2-3-2であれば2-3-2)の配置を崩さずに他の味方選手と重ることもなくパスコースを作ることが大切です。

 

②の「フリーになる」はこの4つのコンセプトで最も難しく重要なコンセプトになります。

フリーになるとは、自分のポジションを崩さずにマーカー(自分をマークしている相手選手)から出来る限り離れ、マーカーの見えない場所にポジショニングすることです。

マーカーの見えない場所とは、マーカーは常にボールを見るためボールを見ているマーカーの視野から外れることを意味します。

注意する点は「出来る限り離れる」はポジションを崩さない範囲内で離れること。

相手から離れ過ぎてしまうと隣のポジションの味方と重なってしまいます。

具体的には23m(23)程度となります。

23歩相手からはなれ、相手が見えない場所にポジショニングすることが大切です。

バックステップ、サイドステップでの動きになります。

 

③の体の向きは①,②を実行したポジショニングの状況で、ボールとグランド全体をより観れる体の向きとなります。

首を振り横、後ろを観て状況を把握することも大切ですが、首を振る前の基本として正しい体の向きをしっかりと整えることが大切です。

 

④の「次のプレーを読む」は状況を正しく認知して次のプレーに繋げることを意味します。

 

そしてこのポジショニングのコンセプトからプレーコンセプト(①認知②判断③実行)につ繋がっていきますが、まずプレーの前にポジショニングを正しくとることをがとても大切です。

 

正しいポジショニングが正しいプレーに繋がります。

 

プレーへの第一歩目として正しいポジショニングを理解してしっかりと習得していきましょう。

 

最後にポジショニングの最高のお手本となる選手を紹介させていただきます。

ポジショニングの最高のお手本となる選手はイニエスタ選手です。

身近なJリーグでプレーする選手でもありますので、是非イニエスタ選手のプレーを観て世界最高のポジショニングを学んでみましょう。

 

少しでも正しいポジショニングの理解に繋がれば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ

 

 

 

サッカー教室/ 守備システム

『サッカー教室』第2回目は守備システムについて簡単に説明させていただきます。

 

まず8人制サッカーでは3-3-1のが最も守備に適したフォーメーションになります。

 

 

 

ディフェンス3人、ハーフ3人の「3-3」の2つのラインが最も効率的で守備に最適な配置になります。

 

しかし、3-3-1の場合はディフェンスラインが奇数になるためセンターバックのポジションがキーパーと重なってしまうため理想的な攻撃やボールポゼッションには適していません。

 

 

3-3-1は守備面では最も適したシステムに対して攻撃面では不適切。

反対に2-3-2は攻撃面では最も効率的かつ最適なシステムに対し守備面で3-3の2ラインを引くシステムへの変形に難しく守備としては弱点のあるシステムです。

 

次に守備において大切な観点は守備システムは常にリアクション(対応)になることです。

サッカーでは常にボールを持っているチームが主導権を握り、ボールを持っていないチームが相手の攻撃システムに対応する形で守備システムを整えます。

相手の攻撃システムが2-3-2であれば3-3-1の守備システムが最適。

相手の攻撃システムが3-3-1であれば2-4-1の守備システムが最適のように常に相手の攻撃システムがあっての対応となります。

 

もう一つの大切な観点は攻撃システム(ポフォーメーション)と守備のシステム(フォーメーション)は異なること。

攻撃時と守備時では最適なシステムは変更します。

最適な攻撃システムは2-3-2ですが、2-3-2は守備時での3-3-1システムへの変形に適さないため、2-3-2で攻撃する場合守備では2-4-1、4-1-2もしくは4-2-1に変形します。

例:攻撃時2-3-2 →守備時2-4-1、4-1-2もしくは4-2-1(2-3-2が最適の場合もある)

*相手の攻撃システムが3-3-1の場合は2-3-2で守備することも可能。但し、中盤が3対3の同数になるためハーフで崩されるリスクがある。そのため対3-3-1の最適な守備システムは中盤でも数的優位な2-4-1になります。

 

 

 

 

攻撃システムと守備システムが異なることから、攻撃的なチームと守備的なチームでは最適なフォーメーションも異なります。

最も攻撃に適したフォーメーションは2-3-2。

そして最も守備に適したフォーメーションは3-3-1です。

 

そして先程もふれたように守備システムの対応の観点として相手チームが2-3-2で攻撃する場合には3-3-1。

相手チームが3-3-1で攻撃する場合は2-3-2もしくは2-4-1。

守備の法則として相手チームのフォワードが奇数の場合は守備側ディフェンダーは偶数。

相手フォワードが偶数の場合は守備側ディフェンダーは奇数となります。

 

 

 

また、相手チームが3-3-1から1-3-3に変形してくる場合もしくは2-3-2から2-1-4に変形してくる場合などは4-2-1もしくは4-1-2の守備システムが適しています。

 

先日のU-12夏合宿 河口湖CUP 決勝では、AZさんが2-3-2から2-1-4に変形する攻撃システムだったため4-1-2の守備からボールを奪い2-3-2で攻撃することで試合を優位に進め勝利することができました。

 

 

このように、最適な守備システムを適用することで相手の攻撃を半減させ、試合を優位に進めることが可能になります。

 

常に試合に臨むにあたって2-3-2で主導権を握り攻めにいくのか、それとも無理に打ち合いに行かず3-3-1もしくは2-4-1でまずはしっかり守るのかを判断、決断することがが必要になります。

 

守備システムは「ジャンケン」に似ています。

相手が「グー」のシステムで攻撃してくる場合、より効率的な「パー」の守備システムが存在します。

相手が2-3-2で攻めてくるのか、2-4-1なのか、それとも3-3-1なのか。

相手の攻撃システムに対してより効率的で最適な守備システムで守ることがサッカーにおいて一つの鍵になります。

 

INDEPENDIENTE JAPAN HATOYAMA は攻撃は2-3-2、守備は2-4-1、4-1-2、4-2-1、3-3-1(もしくはそのままの2-3-2)システムがメインです。

 

参考までに他チームで最も多いシステムは3-3-1、2番目にに2-4-1、3番目に2-3-2となり、ほとんどのチームが攻撃と守備のシステム変更しないままプレーしてしまっています。

 

守備の理解が今後の日本サッカーの大きな課題のように思います。

 

今回はINDEPENDIENTE JAPAN HATOYAMA が実践する守備システムを中心に簡単に説明させていただきました。

 

保護者の皆様も試合を観戦される際、相手チームが3-3-1なのか2-4-1なのか、それとも2-3-2もしくは他のシステムなのか、システム的観点からサッカーを観ていただけるとより楽しくサッカーを観ることができると思います。

 

少しでも守備システムの理解につながれば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ

サッカー教室/ 基本フォーメーション

『サッカー教室』第1回目は8人制サッカーの基本フォーメーションについて説明させていただきます。

 

INDEPENDIENTE JAPAN HATOYAMA の基本フォーメーションは2-3-2となります。

 

 

基本フォーメーションが2-3-2となる本質的理由はポジショニングの基本である菱形(*INDEPENDIENTEでいう菱形は正方形を傾けたダイヤモンド型)を3つ形成するためと、スペースをより効率的に活用するためです。

 

最も基本となる菱形はキーパー、センターバック、センターハーフの菱形となり2-3-2の中心となります。

 

 

キーパー、センターバック、センターハーフの菱形でボールをポゼッションし試合(ゲーム)を作ります。

 

次に前方の2つの菱形へボールを運び(前進し)相手守備を崩します。

 

 

サッカーの守備の基本は1人余らせるため、こちらの2-3-2に対し相手は基本的に3-3-1での対応となります。

 

 

相手が3-3-1の場合はキーパー、センターバック、センターハーフの菱形では4vs2の状況となります。

 

 

そして前方の2つの菱形では4vs3となります。

 

 

 

練習でよく4vs2、4vs3のグリッド練習を行うのはそのためです。

 

サッカーの攻撃時では4vs2、4vs3が常に基本的な状況となります。

 

そして、4vs2、4vs3でボールを奪われなくなれば試合でもボールを奪われないということになり、4vs2、4vs3の練習がサッカーの基本練習となります。

 

そこで、相手がボールを奪えないときにどのように対応するかというと、守備で余らせずにマンツーマンディフェンスに切り替えるか、もしくは部分的プレスをかけに同数でボールを奪いにきます。

 

相手がマンツーマンディフェンスに切り替えた場合は最前線のフォワード2人のどちらかで1vs1を仕掛けます。

 

1vs1はサッカーにおいてはチャンスとなるためです。

 

 

 

次に相手が部分的プレスなどで同数としてボールを奪いにきた場合は、前方の2つの菱形でフリーの選手が生まれるためそのフリーの選手にボールを運びます。

 

 

 

パスコースを切られたときのフリーの選手にボールを運ぶ方法は基本的に「サポートの動き」と「3人目の動き」の2つとなります。

 

サポートと動き

 

3人目の動き

 

「サポートの動き」「3人目の動き」や前進、相手守備の崩し方、フィニッシュはまた改めて説明できればと思います。

 

今回は基本フォーメーション2-3-2について簡単に説明させていただきました。

 

少しでもサッカーの理解につながれば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ

 

 

 

NEWS『サッカー教室』スタート

この度、当ホームページのNEWSコーナーにて『サッカー教室』をスタートさせていただきます。

 

サッカーの基本コンセプトや、試合などで起きたプレーや課題などを出来る限り簡単に説明し、選手や保護者の皆様とサッカーの理解を共有できればと思っております。

 

こちらで書かせていただく内容は全て選手に伝えているものになりますが、復習も含め『サッカー教室』という形で配信させていただきます。

 

『サッカー教室』を通じてサッカーの理解が少しでも深まれば嬉しく思います。

 

 

YUコーチ