今回は『育成』と『成長』について書きたいと思います。
対義語ではありませんが、『育成』に対立する言葉として代表的なものが『結果』です。
『育成』と『結果』の関わりを方法的に表すと『結果』=リスクの回避、『育成』=リスクの解決となり。『結果』=『回避』、『育成』=『解決』となります。
『回避』(リスクの回避)は簡単に言うと出来ることを実践することで、『解決』は出来ないことを出来るようにすることと言い換えることが出来ます。
『育成』において大切なことは『解決』能力の習得です。
そして習得において大切なことが反復です。
ここで理解すべきことは練習と試合では目的が異なるということ。
基本的に練習は正しい『解決』方法を理解する場であって、試合は正しい『解決』方法を実践する場です。
『育成』において大切なことは試合での反復による『解決』能力の習得となり、習得には失敗が伴います。
失敗(ミス)は、大きく分けて技術ミスと判断ミスに別れます。
技術の習得の基本は正しい反復練習であり、反復による習得には時間が必要です。
判断の習得は理解に至ることができれば反復練習は必要とせず、瞬時に習得することも可能です。
簡単に言うと技術の習得は時間を必要とし、判断の習得は時間を必要としません。
反復による習得で代表的なものにキック練習があります。
キックの習得は何百回、何千回の正しい反復が必要です。
そして、試合での『解決』の習得もキックの習得同様に反復が必要です。
試合で何回困難な状況を経験し『解決』出来るか、新しいプレーにチャレンジ出来るかが『成長』への鍵になります。
困難を『回避』せずに『解決』すること。
より多くのシチュエーションを経験して『解決』する能力を習得すること。
『解決』の習得までには100回、1000回の失敗が必要かもしれません。
自分も多くの失敗を通じて成長して来ました。
自分と比べたら子供たちの成長スピードには驚ろかされます。
子供に願い、期待し、求めることは苦しみを生みます。
自分はアルゼンチンの熱狂的なファンで、アルゼンチン代表に願い、期待し、求め、メッシのプレーに頭を抱え苦しむことが多くあります。
世界1の選手メッシのプレーに頭を抱え苦しんでしまうのであれば、サッカーを始めて数年の子供に願い、期待し、求めれば頭が痛いどころではすみません。
子供に願わず、期待せず、求めずに、寄り添い、見守ってあげることが大切だと信じています。
最後に、なぜプロクラブは『結果』を求めるのか。
プロクラブが『結果』を求める本質的理由は経営です。
経営上利益となる『結果』を求めます。
そのためプロの世界ではリスクを『回避』するサッカーが主流となり、『育成』年代のサッカーと対立します。
『育成・解決・成長』のサッカーと『結果・回避・経営』のサッカーの違いをしっかり理解することが大切です。
試合で結果をつい求めたくなってしまう現状がある中、『育成』と『成長』についての自分の理解を書かせて頂きました。
子供たちの『成長』のために少しでも役に立てば嬉しく思います。
YUコーチ